京焼・清水焼は、古来より様々な表現や技術を取り入れ、独自に発展・昇華させ、特異なほどの多様性を持つことが特徴の一つです。
当主 滋圭の祖父は、京焼の轆轤職人でありました。
幼い頃より近くに見た京焼のすばらしい技術を学びたいと志した事を機に、京焼窯元で長年の研鑚を重ね、平成庚辰、炭山大西にて 龍豊窯として独立開窯致しました。
以来、京焼・清水焼に伝わる多彩な技を駆使し、繊細な造形・絵付けを得意として作陶しております。
そして令和壬寅、祖父の背に見た作陶の楽しさを幅広い方々にも感じて頂くべく、小さいながら環境を設け、炭山別所に窯を移しました。
今後とも開窯当時に掲げました、生活を豊かに彩るものづくりを理念として
永く愛して頂ける焼物を生み出せる様励んで参ります。
ご愛顧賜れますと幸いです。
POTTERS職人の紹介
石田滋圭Jikei Ishida
- 昭和48年
- 京都市立日吉ケ丘高校美術工芸コース陶芸科卒
- 昭和50年
- 京都府立陶工訓練校 専攻科卒
- 宇治市炭山京焼村にて茶陶・割烹食器修行
- 昭和53年
- 丹山窯小峠葛芳氏に師事
- 平成12年
- 宇治市炭山にて独立開窯
- 平成14年
- 伝統工芸士に認定
- 平成29年
- 京都府伝統産業優秀技術者表彰(京の名工)
石田瑛人Akito Ishida
- 昭和57年
- 京都に生まれる
- 平成13年
- 父、滋圭に師事
- 平成15年
- 京都府陶工高等技術専門校卒業
- 平成17年
- 京都市産業技術研究所工業技術センター
みやこ技塾 窯業科修了 - 炭山工房にて作陶修業
京都に伝わる伝統技法を駆使し、非日常を感じられる丁寧な物作りを目指しています。
炭山の紹介
龍豊窯の所在地である、炭山の魅力をご紹介します。
炭山の地名はその昔、山の木を切り出し、木炭を焼いていたことに由来しているそうですが、その名の歴史は古く、徒然草、枕草子と並ぶ古典日本三大随筆に数えられる、方丈記にも登場します。
宇治の北端、京都と滋賀の谷合に位置し、志津川の源流に沿った里です。
京都市、宇治市、滋賀へ続く峠道があり、宇治市側の麓には、鳳凰堂で有名な平等院。
京都市側の麓には前述の方丈記随筆者、鴨長明の庵跡や真宗開祖、親鸞聖人生誕の地とされる法界寺。
現在、炭山側からアクセス出来ませんが、北側には、秀吉の花見で有名な醍醐寺の上醍醐奥の院。
昔は山深い辺境の地であったであろう地域ですが、歴史的にも貴重な観光地近くでもあり、今や、休日になるとウォーキングやサイクリングを楽しむ人の姿を目にします。
そんな炭山は、焼き物の里としても知られています。
昭和40年代初期、恵まれた環境を求めた窯元が移り住んで以来、次々と作陶家が集まり、今や数十軒の窯元が軒を連ねており、日々、京焼・清水焼に伝わる業を駆使し、創作活動に励んでいます。
里の北端に位置する所には、京焼炭山協同組合所有の、今や貴重となった「京式登り窯」もあり、年に一度火入れを行い継承、保存されています。